滑空機(グライダー)の離陸方法には2つあります。
「飛行機曳航」と「ウィンチ曳航」です。
「飛行機曳航」は文字通り、エンジンの付いた飛行機にロープを付けて、機体を引っ張ってもらう曳航方法です。
一方、「ウィンチ曳航」はなかなか想像がつきにくいかもしれません。ウィンチ曳航では、滑走路の端にドラムを高速回転させてナイロン索を巻き上げるウィンチ車を設置して、約1km以上敷いたナイロン索にグライダーをつなぎ、機体を引っ張ります。そうすると、グライダーはピュ~ンと急角度で空を上昇していくことができます。離陸時間は約1分。あっという間に高度を獲得することができます。風の強さによって獲得高度は異なりますが、埼玉県の読売加須滑空場では強風の時は2,000フィート、通常の風では平均1,200-1,600フィートの高度をとることができます。
言葉で説明してもなかなかイメージが沸きにくいと思うので、機体が豆粒より小さく映ってしまっていますが、ぜひビデオをご覧ください。
ウィンチ曳航(翼端持ちからの視点)
ウィンチ曳航(ウィンチからの視点)
機体離脱後、ウィンチが回収している小さいパラシュートは「ドラッグシュート(drag chute)」と呼ばれています。ナイロン索が落ちてくる速度を減速させる目的があります。ちなみに、アメリカでは飛行機曳航、ヨーロッパではウィンチ曳航が主流です。